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人工股関節

人工股関節置換術(THA)

人工股関節置換術(THA)は、悪くなった股関節を人工の関節で置き換える手術です。
股関節が悪くなった場合の最終手段の手術です。

基本的には60歳以上が適応年齢とされていますが、股関節の状態、日常生活の障害程度により、40歳以上で他に方法がないときに適応としています。

※「人工股関節再置換術」については、当ページ最下部にて記載しています。

最小侵襲人工股関節置換術(MIS-THA)

人工股関節置換術の皮膚切開は、従来20cm程度でしたが、当院では基本的には8cm程度の小さい皮膚切開で行っています。 そのため術後の痛みが少なく、術後2日で歩行訓練を行っています。最近は、患者さんによっては、さらに体の負担が少ない前方侵入も取り入れています(次項参照)。

侵入方法について

人工股関節置換術手術は、最近まで後方侵入が一般的でしたが、
下記2点を目的として、前方侵入(DAA:Direct anteriorapproach)が最近注目されています。
 ○人工股関節置換術の欠点である脱臼を少なくする
 ○ソケットの設置角を安定化する

DAAは基本的には筋肉をほとんど切離(せつり)しないため、より体の負担が少ないとされており、当院では基本的にはDAAで行っています。
しかし、前方侵入で困難なときは、後方侵入を選択することもあります。

最小侵襲人工股関節置換術について/医師 吉田宏

私が小さい皮膚切開を行うようになったのは2003年でした。当時、私は、最小侵襲人工股関節置換術に対してあまり良い方法と考えず行っていませんでした。ですが、学会のトピックとなっていたため、人工骨頭置換置換術に対して8cmの皮膚切開で人工骨頭置換術を行いました。やはり苦労し、時間も通常より少し多くかかったため、患者さんに対し負担をかけたかなと思いました。

手術をして2~3日後に患者さんに質問をされました。「手術の時に、今回何か特別なことをしましたか?」と。おそるおそる「何か特別なことがありましたか?」と尋ね返すと、「今回の手術の痛みが前回の手術と比べて全然少ないんです」とのことでした。この患者さんは、この1年前に同じ手術を従来法で行った患者さんだったのです。

このことにより、人工股関節置換術が実際に効果があると考え、2004年より約8cmの皮膚切開で行っています。 ※ただし基本は人工股関節を正確に行った上での話です。

皮膚縫合について

当院のTHA手術においては、基本的には、創が綺麗で抜糸の必要がない「埋没縫合」を行っております。

手術を考える時期

○痛みあるいは動きが悪いため日常生活の障害が大きい場合
○年齢としてはめやすとして60歳~80歳
○冒頭の項目で「股関節が悪くなった場合の最終手段」と記載していますが、筋力が落ちる前に行った方が、術後の回復も早く有利です。

レントゲンで悪いからといってやらないといけないわけではありません。
なお、93歳での人工股関節実施例もあります。杖歩行で退院されました。

合併症のリスクについて

■手術の合併症
一般的には、年齢が高いほど、他の病気があればあるほど、手術の危険性が高くなります。
○感染/手術中に細菌が入ると感染が起きます。一度感染すると細菌をなくすのがやっかいです。
○出血/出血時の輸血対応としては、前もって血液を採って貯めておいた「自己血貯血」を使用する方法と、手術中に出血した血液を回収した「術中回収血」をきれいにして戻す方法などがあります。
○肺梗塞・肺塞栓
○薬剤のアレルギー

■術後の合併症
○脱臼
○人工関節のゆるみ・耐久性

人工股関節のインプラント

臼蓋ソケット(socket)人工股関節の臼蓋側の受ける方で金属でできている。主にスクリューで固定される。骨と接する方は細かい凹凸があり、骨が入り込んで固定される。
ライナー(liner)ソケットの内側にあり、摺動面があり、従来はほとんどHDP(High Density Polyethy lene)だったが、摩耗・ 耐久性の問題で、セラミックのものが使われ出している。
※一時、金属のものが使用されたことがあるが、合併症の発生があり、現在は使用されていない。
ヘッド(head)
※または インナーボール(inner-ball)
球形のもので、ライナーの中で動き、従来はほとんど金属であったが、現在はセラミックのものが多く使われている。外径は、以前はφ22mmが多かったが、大きい方が可動範囲が大きく、脱臼を生じにくいため、現在はφ32mmを多く用いている。
ステム(Stem)金属でできていて、骨との接合を強くするために表面に凹凸をつけている。

THA手術の流れ

入院前手術の決定 手術日の決定
  ↓
入院時一式検査(手術日より1ヵ月以内)
  ↓
貯血(1回目)400ml
  ↓
リハビリ受診
  ↓
股関節CT撮像
  ↓
貯血(2回目)400ml
入院後  ↓
手術
  ↓
術翌日/ベッドサイド端座
  ↓
術翌々日/起立・全荷重歩行開始
  ↓
リハビリ(平行棒内歩行 歩行器歩行 杖歩行 階段訓練)
  ↓
退院(術後2週)

一応、術後2週で退院としていますが、当院では包括病棟を持つため、より長り入院が可能となっています。

特殊な人工股関節

Plate併用人工股関節大腿骨骨幹部の骨髄を触らないため、再置換の際に有利です。50歳以下の患者様に適応。

人工股関節 再置換術

「人工股関節 再置換術」は、悪くなった人工股関節を、再び人工の股関節で置き換える手術です。
ゆるみや破損などにより人工股関節が正常でないときに、状況に応じて下記の置換を行います。
 ◇臼蓋側のみ再置換
 ◇大腿骨側のみ再置換
 ◇両側再置換
 ◇人工股関節の関節面のみ再置換

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